国民年金滞納どうなる?特別催告状・督促状・財産差し押さえ
第1号被保険者は、「国民年金保険料を納付するか」「免除を受けるか」「配偶者の扶養に入るか」の3択しかありません。
しかし、中には、何も行動を起こさない人がおり、催促の連絡があった後に、「国民年金保険料を滞納するとどうなる?」と心配になっています。
国民年金保険料を滞納するとどうなるか以下に説明するので、滞納処分の流れを理解してください。
第1号被保険者は保険料滞納で処分
公的年金制度の第1号被保険者は、自分で国民年金保険料を納付しなければなりません。
国民年金保険料は月1万6千円以上、年間では約20万円と高額であり、「払っても将来十分な年金がもらえない」という情報が広がったため、保険料を納付しない人がいますが、強制加入のため、逃れられないようになっています。
昔はあまり強く納付を促されませんでしたが、国民年金保険料の納付率が下がり続けたことで、法改正してかなり強く徴収するようになりました。
所得を基準に強制徴収しており、400万円、350万円、300万円というように、だんだんとその基準を厳しくしています。
ちなみに、所得の算出方法は、次の計算式のとおりです。
所得と収入の関係
所得 = 収入 – 必要経費 – 控除額
保険料の未納期間を作ると、将来の老齢基礎年金額がその分減り、障害を負っても障害年金が支給されない可能性もあるので、第1号被保険者は必ず国民年金保険料を納付してください。
経済的に納付する余裕がない人は、国民年金保険料の免除制度を利用するか、配偶者の扶養に入るしかありません。
もし、滞納すると、「特別催告状・督促状・財産差し押さえ」などによって強制徴収されるので、覚悟しておきましょう。
特別催告状・督促状・財産差し押さえの流れ
国民年金保険料を滞納すると、次の流れで強制徴収されます。
国民年金保険料の納期限を過ぎて数ヶ月すると、『特別催告状』が送付されてきます。また、電話や家庭訪問で、納付するか免除手続きするように連絡してきます。これらが何度か繰り返されますが、この段階で対応しましょう。
上記1の請求を無視し続けると、『最終催告書』なる書類が送付されてきます。指定期限が定められており、それまでに納付するか納税課まで来るように、という内容です。対応がない場合は、取引先や勤務先を調査して処分するという脅しも書かれてあります。
国民年金保険料の納付や相談がないまま上記2の『最終催告書』に定められている指定期限を過ぎると、さらに強制力のある『督促状』が送付されてきます。この書類は、最終的な警告です。
『督促状』でも国民年金保険料を納付しないと、実際に財産の調査が行われます。
『督促状』を無視している者に財産がある場合、財産差押予告がされ、それまでに対応しないと実際に執行されます。
国民年金保険料の強制徴収は年々厳しくなっており、放置しておくとあっという間に財産差し押さえの段階になってしまいかねないので、連絡があったらすぐに相談してください。
督促状の指定期限を超えると延滞金が課せられる
督促状の指定期限までに完納しない場合、延滞金が課されます。
ただし、以下の場合は、延滞金を徴収されません。
- 督促状の指定期限までに完納したとき
- 滞納につきやむを得ない事情があるとき
- 徴収金額が500円(1,000円)未満のとき
- 延滞金の額が50円(100円)未満のとき
一部を納付した場合は、その納付額を控除して、延滞金が計算されます。
延滞金の額についてですが、納期限の翌日から年14.6%で課され、かなり高いです。
未納である国民年金保険料の徴収業務は民間企業が行っている
以前、「知らない会社から国民年金保険料を納付するようにとの電話が掛かってきたけど、詐欺じゃないか?」という内容の相談をメールで受けたことがあります。
年金業務を担当しているのは年金事務所と市区町村役場ですが、人数は限られており、他にも業務があるため、手が回りません。
そこで、民間事業者に未納である国民年金保険料の徴収業務を委託しているのです。
全国をカバーできる会社はないので、複数の会社が担当しており、この文章を執筆している2019年2月時点では、次の3社がこの業務に携わっています。
- 株式会社アイヴィジット
- 株式会社バックスグループ
- 日立トリプルウィン株式会社
このいずれかの会社からであれば詐欺ではありません。
これらの会社に問題があった場合などは、業務を行う会社が変わるので、適宜、日本年金機構のサイトでお調べください。
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