育児休業期間中の厚生年金保険料免除
第2号被保険者は、毎月の給料から厚生年金保険料が天引きされ、事業主負担分と共に納付されています。
しかし、育児休業期間中は働いていないため、収入がなく、厚生年金保険料を納めることができません。
そこで、手続きすることにより、育児休業期間中の厚生年金保険が免除されることになっているのです。
「当然」と思うかもしれませんが、昔は、育児休業期間中も社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)が徴収されており、そのため、育児休業取得者が仕事を続けることが困難な時代もありました。
今は法改正され、育児休業を取りやすくなっています。
育児休業に伴う厚生年金保険料免除の期間と手続き
育児・介護休業法に規定する育児休業またはこれに準ずる休業をする第2号被保険者は、社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)の免除を申し出ることができます。
免除されるのは、「育児休業等を開始した日が含まれる月から、終了した日の翌日が含まれる月の前月までの期間(ただし、子が3歳に達するまで)」です。
労働者負担分と事業主負担分の両方が免除されます。
そして、育児休業に伴う厚生年金保険料免除は、女性に限らず男性も申し出ることが可能です。
さらに、女子被保険者の場合、労働基準法65条に規定されている「産前6週間(42日)、多胎妊娠の場合は14週間(98日)」と「産後8週間(56日)」についても、厚生年金保険料の免除を受けられます。
なお、育児休業等をした後に申し出ても、保険料は免除されないので、必ず期間中に手続きしてください。
申出は、事業主が、『健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書』を管轄年金事務所または健康保険組合に提出することによって行います。
育児休業で厚生年金保険料の免除を受けた場合の注意点
育児休業で厚生年金保険料の免除を受けると、次の通りとなります。
- 申出をした日の属する月から育児休業が終了する日の翌日が属する月の前月まで、厚生年金保険料が免除されます
- 最長でも、子が3歳に達するまでです
- 産後6週間経過した女性の被保険者が働くことを希望し、医師が支障ないと認めた場合、その後の労働した期間については厚生年金保険料を免除されません
- 男性も女性も免除されます
- 事業主・被保険者ともに免除されます
- 免除された期間は保険料納付済期間とみなされ、年金に反映されます
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