遺族厚生年金いつまでもらえる?失権事由
遺族厚生年金は、遺族の生活に欠かせない重要な保険給付ですが、その支給はいつまでも続きません。
受給権者が支給停止事由に該当すればその間支給されませんし、失権事由に該当すればそれ以降は支給されないのです。
したがって、不支給となってから慌てるのではなく、あらかじめ、遺族厚生年金がいつまでもらえるかを知っておく必要があります。
遺族厚生年金の支給期間は、「死亡日の属する月の翌月から、失権事由に該当した日の属する月まで」なので、しっかり覚えておきましょう。
以下に、遺族厚生年金の失権事由を説明します。
なお、失権になった場合、その状態が解消しても二度と支給されることはありません。
全受給権者に共通の遺族厚生年金の失権事由
すべての受給権者は、以下のいずれかに該当した場合に、遺族厚生年金の受給権が消滅します。
- 死亡したとき
- 婚姻したとき(事実上の婚姻関係を含む。結婚後に離婚しても、一度失権しているので、再び受給権者にはなれません)
- 直系血族または直系姻族以外の養子となったとき(事実上の養子縁組関係を含む)
- 離縁によって、死亡した被保険者または被保険者であった者との親族関係が終了したとき
妻に特有の遺族厚生年金の失権事由
妻に対する遺族厚生年金の受給権は、上記の全受給権者に共通の失権事由に加え、次のいずれかに該当したときにも消滅します。
- 30歳未満で遺族厚生年金のみの受給権を取得した日から5年を経過したとき(つまり、同一の支給事由に基づく老齢基礎年金の受給を取得しないとき)
- 同一の支給事由に基づく遺族基礎年金・遺族厚生年金を受給している妻が、30歳に達する日前に遺族基礎年金のみの受給権を失った場合は、その日から5年を経過したとき
子または孫に特有の遺族厚生年金の失権事由
子または孫に対する遺族厚生年金の受給権は、上記の全受給権者に共通の失権事由に加え、次のいずれかに該当したときにも消滅します。
- 18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき(ただし、障害等級1級又は2級に該当する障害状態にあるときは20歳に達したとき)
- 1級または2級に該当する障害状態にある者が、18歳到達年度末後20歳に達するまでの間に、障害の程度が1級または2級に該当しなくなったとき
父母、孫、祖父母に特有の遺族厚生年金の失権事由
父母、孫、祖父母に対する遺族厚生年金の受給権は、上記の全受給権者に共通の失権事由に加え、被保険者または被保険者であった者の死亡の当時胎児であった子が出生したときに消滅します。
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