公的年金とは何か?二階建ての仕組み
子供の頃から「国民年金」「厚生年金保険」という言葉を聞いて知っていても、ほとんどの人は自分に関係ないことなのでスルーし、具体的な内容を知らないまま成長します。
そして、気付いた時には、自分も公的年金制度に加入し、保険料を納付しているのです。
しかし、自分や家族の人生に関わることなので、その浅い知識だけで済ませることはできません。
まずは、「公的年金とは何か?」についてわかりやすく解説するので、その全体像をつかみましょう。
公的年金とは?
公的年金を分かりやすく説明すると、「あらかじめ保険料を納付しておくことで、老齢・障害・遺族となった時に、給付を受けられる制度」と言えるでしょう。
年老いた時は、収入がなくなり生活費は出ていくので、遅かれ早かれ貯蓄が尽きる可能性が高く、障害を負った時は、働くことに制限が生じて収入が減る可能性が高く、遺族となった時は、家族の大黒柱が亡くなったことで収入が激減する可能性があります。
そんなピンチの時に、お金を支給してくれるのが公的年金です。
中には、「自分や家族でどうにかする問題じゃないの?」と思う人もいるでしょうが、全ての家庭が、お年寄り・障害者・遺族の面倒を見れるわけではありません。
例えば、高齢で身寄りのない人は、体が弱って仕事はできず、貯蓄も尽きて、一人ではどうすることもできないですよね。
そこで、国が国民等を強制的に公的年金制度に加入させ、働き盛りの現役世代から保険料を徴収し、老齢・障害・遺族で困っている人に給付することにしました。
つまり、公的年金とは、老齢・障害・遺族となって困っている人を社会全体で助ける仕組みとなっているのです。
公的年金の種類は?
公的年金の種類は、国民年金と厚生年金保険の2つがあります。
それぞれの立場に応じて、加入している公的年金の種類は次のとおりです。
よく、「年金の2階建て」と言われますが、すべての者が加入する国民年金(基礎年金)を1階、第2号被保険者が加入する厚生年金保険を2階と見立て、「2階建て」と表現します。
ちなみに、以前は、公務員の年金・医療保険は『共済組合』、私学の教職員の年金・医療保険は『私立学校教職員共済』が行っていましたが、「少子高齢化への対応」と「民間サラリーマンと公務員の公平性確保」を目的に、2015年10月から年金部分のみ、厚生年金保険に一元化されました。
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