遺族基礎年金の支給要件
遺族年金は、公的年金制度の三本柱のひとつです。
国民年金の場合、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者もしくは過去に被保険者であった者が亡くなった場合に、遺族基礎年金が支給されます。
しかし、これらの者が亡くなったら無条件で支給されるわけではありません。
まず、亡くなった被保険者もしくは被保険者であった者が支給要件を満たしていなければならず、さらに、遺族が遺族の範囲に該当する必要があるのです。
以下に、被保険者もしくは被保険者であった者の支給要件について説明します。
この支給要件には、短期要件と長期要件の2種類があるので注意してください。
遺族基礎年金の短期要件
短期要件を満たすには、亡くなった者が、次のいずれかに該当する必要があります。
- 死亡日に国民年金の被保険者である(保険料免除期間中・学生納付特例期間中・若年者納付猶予中の死亡に対しても、支給要件を満たしている限り、遺族基礎年金が支給されます)
- 被保険者であった者で、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満である
さらに、短期要件の場合、障害年金と同様に保険料納付要件が必要です。
その際、「初診日」を「死亡日」に読み替えてください。
上記から分かるように、短期要件は、保険料を一定期間以上納めたか否か分からない者が亡くなった場合に問われる要件であり、保険料滞納期間が長い場合は支給されないことになります。
逆に、被保険者になってすぐに亡くなっても、保険料をしっかり納めていれば、短期要件を満たします。
長期要件
長期要件を満たすには、亡くなった者が、次のいずれかに該当する必要があります。
- 死亡日に老齢基礎年金の受給権者である
- 死亡日に受給資格期間25年(300月)以上を満たしている
長期要件の場合、保険料を一定期間以上納めた人を対象としているため、保険料納付要件は問われません。
なお、老齢基礎年金の受給資格期間は10年に短縮されましたが、遺族基礎年金の長期要件は25年のままです。
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